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「造園や植木屋に必要なもの12選!まず揃えるべき基本道具を現役職人が解説」

「造園や植木屋に必要なもの12選!まず揃えるべき基本道具を現役職人が解説」

造園業や植木職人に欠かせない「造園道具」。様々な種類があり、メーカー・大きさ・切れ味・使いやすさなど、職人たちはそれぞれ自分のこだわりを持って選んでいます。

たくさんの道具があるため、これから植木屋や庭師を目指す人にとっては、「どんな道具を揃えたらいいのかわからない」という方も多いはず。

今回は、植木屋道具の購入で迷っている方、特に独立、開業に向けて準備している方に、実際に揃えた道具や、必要になった道具を解説。自分に合った道具を見つけることは作業の効率も上がり気分も上がるものです。この記事を読んで、自分に合った道具選びに役立ててください。

現役植木屋御用達の腰道具!

腰道具とは?

植木職人がベルトに着けて、よく使う道具のこと。「腰道具」や「腰まわり」と呼びます。

そんな植木職人の基本中の基本とも言える造園道具。中でも特によく使う道具3点は、ケースをベルトに通して、いつでも手に取れるようにしています。腰まわりに装着することから、「腰道具」という名が付けられました。

剪定だけでなく、どの現場にも持っていくくらい基本の道具と言えます。

腰道具①木ばさみ

植木ばさみ、またはわらび手とも言います。腰道具の中では一番細かい剪定に使う道具です。小指くらいの太さの枝まではこのはさみで切ります。小枝が混み合った部分の繊細な作業にも向いています。
刃の研ぎ直しをすることで長く使うことができます。
職人の中でもこだわりの強い道具の一つでしょう。

腰道具②剪定ばさみ

木ばさみで切れない太さの枝〜直径2センチくらいまでの枝を切るのに適しています。剪定作業で使用頻度の高い道具です。
両方に刃が付いている植木ばさみと違い、剪定ばさみは片方に半月型の厚い「切り刃」が付き、もう片方は三日月型の刃のない「受け刃」になっていてそれらが交差することで硬い枝も切ることができます。長時間使ったり腕を上げながらの作業もあるので軽いものの方が疲れにくくて良いです。握って切るだけでなく、少し下方向に回しながら切ると楽に切れたりとコツもあります。

腰道具③剪定ノコギリ

はさみで切ることのできない太い枝はノコギリを使って切ります。剪定ノコギリは、太い枝や幹を切るのに特化したノコギリのことです。普通のノコギリとの違いは、刃が左右交互に開く構造である「アサリ」が付いています。 これは、切りくずによる目詰まりが起こらないようにするためです。 そのためスムーズに枝を切ることができるようになっています。使わない時には腰にぶら下げる道具なので短いものがおすすめです。

個人的には折り込み式の物がコンパクトに収納できて使いやすいです。

現役植木屋御用達の剪定道具!

剪定道具①刈り込みばさみ

生垣や植木を刈りそろえる時に使います。両手で持って使うことから両手鋏とも呼ばれます。刃渡りが長いのが特徴で一度に広範囲の枝葉を刈ることができます。柄の長い物、短い物があると使い分けができて便利ですが、扱い方に慣れるまでは短いものだけでも十分です。

剪定道具②脚立

庭の中は高低差があったり足元に障害物も多いので三脚を使います。大きさも3尺から17尺くらいまでが売られていますが、初めは12尺くらいまでのものを2,3台持っておくと良いでしょう。三脚にも種類がありますが、大きくは三種類になります。


■アルミ三脚(標準型)
一般的に見ることの多い園芸三脚です。

天板(一番上の段)が平らなのが特徴で、後方の脚にもステップがついている物が多いです。価格に応じて三本それぞれの脚に伸縮機能を付けることができます。伸縮機能を使うことで複雑な地形の庭でも自在に水平を保つことができます。


■アルミ三脚(松葉型)
昔ながらの三角形の形をした脚立です。

標準型よりさらに脚立の先端が細いので、混み合った庭木の中でも取り回しがしやすいのが特徴です。後方の脚を前後左右に振ることができる「首振り機能」があるものが多いです。

こちらの脚立も脚に伸縮機能がついた製品もあります。


■木製三脚
職人の中には木製の丸太や角材で脚立を自作する人もいます。形はアルミ三脚(松葉型)と同じ物が多く、後方の脚を前後左右に振ることでバランスよく立てます。見た目も良く、お寺や神社などの庭での作業でも絵になります。

天然の材料を使うので定期的なメンテナンスが必要になります。

現役植木屋御用達の掃除道具!

剪定作業の最後には掃除が必須です。庭の作業の中で一番大切な作業と言っても過言ではない掃除。その掃除に使う必ず揃えるべき道具はこちらです。

掃除道具①熊手

剪定後の地面に散らばった枝葉をかき集めるのに使います。長さのある枝やかさ張る枝を始めに手で取り除いてから熊手を使います。片手で持つ竹製の熊手でざっくり枝葉を集めます。次に金属製の柄の長い熊手で先ほど取りきれなかった枝葉を集めます。更に細かい場所の掃除に小さな熊手を使います。そのように段階的に道具を持ち替えて作業すると仕上げの掃除がとても楽になります。素材も金属製、プラスチック製、竹製などそれぞれ特徴があるので好みによって使い分けられます。

掃除道具②竹ぼうき

大きな枝葉を取り除いた後の仕上げに竹ぼうきを使います。広い範囲を履くときは柄の付いたほうきを使います。手ぼうきはしゃがんで作業するときに役立ちます。み(てみ)に手ぼうきでゴミを掃き入れて仕上げの掃除をしていきます。

掃除道具③み(てみ)

ほうきで掃いたゴミを集めるのに使います。
剪定だけでなく他の造園作業にも使うので必須の道具です。
意外とかさ張る道具なのであまり大きい物は不向きです。長時間使うことも考慮して軽くて丈夫な物を選ぶと良いでしょう。

掃除道具④フゴ袋(ゴミ袋)

みに集めたゴミを入れる袋です。枝葉を入れて運ぶので丈夫な素材で作られています。四隅にワイヤーや芯材が入っていて自立するので使いやすいです。

掃除道具⑤シート(寒冷紗)

剪定作業で落ちる枝葉を掃除しやすくするために下に敷きます。

防炎シートはゴミも絡まず取れたり、通気性があるので敷いた下の植物にも優しく使いやすいです。サイズも様々ですが、一人で扱う場合は1.8m×3.6mを複数枚持っておくと便利です。

掃除道具⑥シート

これは枝葉を運搬するためのシートです。フゴ袋に入らないようなかさ張る枝も、広げたシートの上に置いて丸めて運ぶととても楽です。
厚手のブルーシートを選ぶと長持ちして良いです。サイズは1.8m×1.8mが広げる場所も選ばず、まとめやすくおすすめです。

その他あると便利なおすすめ道具

ヘッジトリマー(バリカン) 

上下2枚の刃が鋏のように高速で擦れ合い、枝や葉を刈り込みます。広い範囲いの刈り込みをするのに活躍します。最近はバッテリー式の物が主流です。電源コードを気にすることなく、取り回しもしやすいです。一台あると刈り込み作業が格段に速くなります。

ブロワ

エンジンやモーターの動力で風を送る機械です。細かい葉っぱや落ち葉を吹き集めるのに重宝します。バッテリー式の片手で持てるものは洗車や家の大掃除なんかにも活躍します。

草刈機 

庭の下草を整えたり、雑草の刈り払い作業に使います。機械のヘッドを変えることで様々な現場に対応できます。
チップソーは丸型の刈刃が回転することで対象物を切断します。背丈のある少し硬い草でも刈ることができます。一方、石の多い地面やアスファルトの地際は刃のチップを傷めることがあるので向きません。
ナイロンコードは特殊ナイロン素材のコードを左右に出して回転させ草を引きちぎる仕組みです。
柔軟性のあるコードなので構造物を傷つけることなく草を刈ることができます。石の際や地際、アスファルトの上の草を刈るのにも向いています。一方、背丈の高い草や硬い草の刈り払いには向きません。
違う種類のヘッドを使い分けるのが良いです。

チェーンソー

伐採や太い枝の枝おろしをする際には必要になります。
バッテリーのチェーンソーもパワーがあり本体も軽いので、木の上での作業でも楽に行えます。切った枝を細かくするときにも使えて便利です。バッテリー式のチェーンソーは、エンジンを掛けるという作業がなく、スイッチ一つで始動するのでとてもおすすめです。

まとめ

今回は、造園 植木屋をする上で必要なあなたがまず揃えるべき基本道具をご紹介しました。作業に応じて様々な道具がまた必要になってきます。ご自身の状況に合わせて買い足していかれることをおすすめします。
どんな道具を扱うのもそれはいつもあなたの『手』です。
あなたの『手』が一番大切な道具と言っても良いでしょう。
この記事が、あなたの『手』に馴染む道具選びの一助となれば幸いです。

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